「オステオパシーってなんですか?」
はじめてお電話をいただく患者さんにしばしば質問を受けます。
でもオステオパシー治療を専門ではじめて20年、いまだにシンプルな答えを返せずにいます。
世間一般にある治療法には特徴があることが多いです。
それがあると話は簡単なんですが。
・鍼や灸、その他の道具を使って治療する。
・病のもとは骨盤だ!上部頸椎だ!背骨だ!筋膜だ!頭蓋骨だ!とか、〇〇という病なら何番のドコドコを治療すればいい、などといったマニュアルがある。
などなど。
でもオステオパシーは決まった道具を使うわけではありません。
また決まったマニュアルに従って治療するといった立場は”あえて”取りません。
病の問題を場所を治療者が勝手に決めずに一つ一つ探して、見つけたらそこを治療する。
ある意味当たり前のことを面倒くさがらずに地道にやるのがオステオパシーです。
もっとも日本のオステオパシー治療家は手術とか薬とかは使えません。
そのため治療箇所は限られます。
それでも
・骨(関節)
・靭帯
・筋肉
・筋膜
・内臓連結・間膜
・頭蓋
これらはすべて施術対象になります。
そして頭の先から手足の先までです。
もちろん症状や既往歴、現代医学的知見も含めた医学的知識を元に治療箇所のアテはつけます。
でも治療者が自分の主観や理論で治療箇所を決めたりはしません。
常に患者さんの身体を一つ一つ検査して決めていきます。
いちいち検査していくのはオステオパシー治療者でも面倒だから理論でショートカットができないか?と考える人はいます。
でもそれではオステオパシーとはいえません。
思えばこれは創始者のスティル博士が医師だったことにもよるのかもしれない。
医者が患者さんの体を丁寧な検査もせずに理論だけで薬を処方してたらおかしいと思いませんか?
でもその結果、検査および施術対象がとても広くなってしまいます。
これがオステオパシーの説明を難しくしてしまうんです。
またオステオパシーというのはテクニックで決まるんではないんです。
・ボキッとするテクニック。
・治療姿勢を作ってそのまま数秒から数分待って治るのを待つテクニック。
・力を入れてもらって治すテクニック。
・呼吸を使って治すテクニック。
などなど。
テクニックは色々あるのだけれど、目にはっきりわかるそういったテクニックがオステオパシーかそれ以外かを決めるのではないです。
正直言ってテクニックは他の治療法にも似たものはたくさんあるし、他の治療法から流用しているものだっていくつもあります。
ではなにがオステオパシーかそれ以外かを分けているのか?
・それは身体に対する理解。
・健康や病に対する考え方。
・治療とは何をどうするのか、そしてそれがどうして効果を出すのか?ということに対する理解と発想。
そういった考え方こそがオステオパシーなんだ。
外から違いがわかるような、見て取れるようなテクニックは、あくまで道具にすぎない。
それを使ってどうするか?
この考え方がオステオパシーかどうかを分けます。
例えて言えば和食とか中華とかフレンチとかイタリアンとかいった様々な料理と同じ。
そのどれも目標は「美味しい!」といってもらいたいというものだ。
そして料理するのに必要な包丁とかまな板とかいった調理器具はどんな料理法でも似ている。
また食材や調味料だって特徴はあると思うけれど、よく似た食材を使っているものが多いと思う。
でも出来上がる料理は各料理法のシェフごとに大きな違いが出るでしょう。
もしも全く同じ食材、調味料、調理道具を用意しても各料理法のシェフが全く違った雰囲気の料理を作るはず。
言ってみればどんな「イメージを持って」調理するかがそれぞれの料理法を分けている。
治療法だって全く同じなんです。
その他にも「ではどんなイメージを持ってオステオパシーでは治療するのか?」など語りたいことはまだまだあります。
でももっと説明が難しくてわかりにくいものになってしまいそうです。
でもまぁこういった七面倒臭い細かいこと、患者さんが知りたいんではないかもしれないのですね。
僕は今後もっと患者さんが何を知りたいと思って質問されるのかをしっかり考えないといけないです。
いずれにしても今後シンプルで、できればキャッチーな説明が見つかるといいな、なんて思ってます。
今後もっと考えます。
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